過去設定3

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「この度こちらに転属になりました。ハスキーです。」

――かわいいでしょ。シベリー地方に行ったときに見つけたの〜。
コネ使って、中央配属にしちゃった。

となりにいた大男が、まるで
犬か猫を拾ってきた若い女のようなことを言った。

(職権乱用じゃあないのか。)
そう思ったが、口には出さない。

「ほぅ、シベリーですか。」

シベリーといえば、1年の半分が冬という極寒の地だ。
そのような過酷な環境で育ったならば、
さぞかし強靭な精神力をもっているに違いない。

・・・私の訓練にどれくらい堪えれるものか楽しみだ。

転属してきた男を観察しながらそんなことを考えていると、ふと目があった。

キラキラした目でじっと見つめてくる。
アイスグレーの瞳の少年だった。
年齢は15、16といったところか。
まるで自分の未来は輝いている、といわんばかりにキラキラとした目をしている。

・・・そのキラキラ目も、そのうち淀んだドブ川色の目になるだろうな。

もって、1ヶ月だろう。
私が行う訓練での脱落者は多い。

「教官〜、やさしくしてあげてね。カラットちゃんが担当だと、辞める子多いから」

大男がまた、顔に似合わないことを言う。
その言葉に、にっこりと笑みを浮かべて返す。

「先輩のお気に入りでも、特別扱いはしませんよ。
 ・・・
 おい、お前!」
若い兵に向き直り、厳しい口調で言った。

「はっ!」

…敬礼の仕方がなっていない。

ゆるい…!
前言撤回。一週間だ。

一週間で、辞めさせてやる。

「教育係を務める、カラットだ。
 先ほど聞いたとおり、私が行う訓練は厳しく、脱落する者も少なくない。
 生半可な気持ちで挑むと怪我をする。
 心してかかれ!」

「へぇ、宜しくお願いします。」

若い兵が口許を緩めたのを見て、カラットは少し苛立った。

「何か可笑しいことでも?」
「いえ、何もありません。」

・・・また、この反応か。


自分の顔は、童顔で女のような顔立ちをしている。
そのため、ひとまわり離れた年下からもなめられた態度をとられることがある。

・・・まぁ、
そんな奴等をくみしきるのも快感・・・でもあるが。

「来なさい、貴方の部屋に案内します。」

自分に寄せられた好感的な印象を
ひねりつぶし、屈伏させてやろう。
これっぽっちの自信も無くし、負け犬のように故郷に送り返してやる。



***


「なぁ、もうちょっとゆっくり歩かねぇ?」

廊下に出て歩き出すなり、軽口を叩き出した。

「俺、もっと君と話しがした…」
「ふざけないでくださいね」

カラットは笑みを浮かべたまま、異常な殺気を放った――――

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過去設定、第3弾はハスキーとカラットちゃんとの出会いvエピソードです。
まったくもってロマンティックじゃないぜい(((( ;゚Д゚)))

書いたのは今年の2月くらいかなー。
カラット教官はドSだろうという私の妄想から出来ました。
つくえっちに了承とってませんので半分捏造です←
もしここ見てて、
だめだだめだ!こんなんNGだ!ってときは言って下さい(^^; >つくえっちへ

あー、何かH/Kが描きたくなってきたわぁ////←
ハスキーは女の子とキャッキャしながらも、最終的に帰りたいと思う場所は
カラットさんのとこなんじゃないかな、と思います。
たぶんずっと、好きだろうと思います。なぜここで言った私←
お互いじーさんになって、性別もなんも気にしないようになったら
一緒になったらいいと思います。
もしそこでカラットさんが他の人と一緒になっていればそれでもいい。
そんな愛です。

あー、これって
なんかずるい、かな(;´゚艸゚)


やべっ、着地点が見つからない( ̄▽ ̄Ξ; ̄▽ ̄)←

とりあえず、
過去関係はここで打ち止めです。短かいですがもう無いですw
私は文字を書くと結構シリアス・・・
っつーかネガとか陰に向かうみたいですね^^;
全部読んで下さった方…いるかわかりませんが…w
どうもありがとうございました!